高脚ジブクレーンと新式単線型炭槽

給炭設備としての高脚ジブクレーンは大きな機関区でも使われていましたが、どちらかといえば主に8620形や、9600形、C58のような中型機を対象とした中規模の機関区や機関支区のものだったようです。

高脚ジブクレーンと単線型給炭槽(新式単線型炭槽)の組み合わせは中型機に特化したものとも言えそうでこれに片腕の給砂塔(独立1線有槽型給砂塔)とアシュピットと給水スポートがあれば一通りのものは揃うのでレイアウトやジオラマなどでも場所を取らずに取り入れられる設備群と言えるかもしれません。
使用されていた機関区としては、池田、苗穂、新津、会津若松、郡山、田端、大宮、松本、高山、新見、小郡、尾久などです。

高い脚部は1線を跨いでおりその線には石炭を積んだ無蓋貨車が入ります。この貨車から石炭をいったん石炭置き場に積んでおき、必要に応じて石炭置き場から給炭槽に補給していたようです。そのためクレーン、石炭置き場、給炭槽はそれほど離れたところにはなく場所も節約できるというメリットがあります。このことは実物だけでなくレイアウトやジオラマなどでも同様なことが言えます。

模型化にあたってはメインになるのは比較的資料が残っていた尾久機関区のものとしました。尾久型と称している資料もあります。もちろん完全な資料はありません。作業灯ともいうべきライトは伯備線新見機関区のものが二つ目玉で印象に残ったためアレンジして取り付けました。

またクレーンブーム(ジブ)はどの資料でも上が切れたものがほとんどで数少ない資料から昭和30年代から40年代のクレーンの資料と併せて作りました。

クレーンといえばワイヤーの巻き上げ装置やその機構も見どころの一つですが、昭和30年代から40年代のクレーンのそれは現代のものとはその機構が多少異なるようなので当時のクレーンの資料を参考にしています。
また石炭を運ぶバケット部の開閉機構も同様になっています。

ワイヤーは艦船模型や戦車模型で使う極細の鋼線ワイヤーを使用しました。実物と同様に撚ってあるので見た目重視で使用しました。

単線給炭槽は1線を跨ぎその線路に蒸気機関車が入り込んで給炭するため形態的にも面白く場所も取りません。

230,000円

1/80スケール

慨寸
ジブクレーン: W:65mm、D:150mm、H:200mm(上部回転し、寸法が変わります)
給砂槽: W:215mm、D:70mm、H:105mm
石炭置き場: W:130mm、D:70mm、H:15mm

備考:CRD制御のLED3灯電飾済み。模型下部から出ているリード線に直流3~15Vをかけるだけで手軽に点灯状態が楽しめます。
リード線は配線のしやすさを考慮。レイアウトへの組み込み安心です。
クレーン移動用のレール計4本付属しています。

※レイアウト(ジオラマ)は撮影用で、人形や車輛も付属しません。
※ご使用のモニターの機種・設定・色調等により実物と写真の色合いが違っていることもございます。